1)帯状疱疹とは
季節の変わり目などには、風邪などで体
調を崩し、免疫力が低下しやすくなります。
そんなときに注意したい病気の1つに、
帯状疱疹(たいじょうほうしん)があります。
帯状疱疹とは、水ぼうそうを起こすウイ
ルスと同じ水痘(すいとう)・帯状疱疹
ウイルスが原因で起こる、チクチク、ピ
リピリと痛みをともなう皮膚湿疹です。
はじめて水痘(すいとう)・帯状疱疹ウ
イルスに感染したときは、水ぼうそうと
して発症します。
多くの人が子どもの頃に水ぼうそうに
かかり、発症して1週間程度で治ります。
ウイルスは、水ぼうそうが治った後も体
の神経節(神経の細胞が集まった部分)
に潜んでいますが、健康で免疫力が強い
間は活動が抑えられています。
50歳を超えてからの前兆とは?
目次
自分でできる対策とは?
痛みが生じている場所を冷やすとウイルス
を活性化させて痛みが増すため、温めると
よいとされています。
温めることで血行をよくして、痛む部分に
十分な酸素などを行き届かせることで改善
するといわれています。
十分な栄養と睡眠をとる
帯状疱疹の原因として疲れやストレスなど
で抵抗力が落ちていることが考えられるた
め、安静にして十分な栄養と睡眠をとるこ
とが必要です。
無理をすると重症化して入院が必要になる
こともあるため注意しましょう。
しかし、加齢やストレス、過労、病気な
どによってウイルスに対する免疫力が低
下したときに再び活動を始め、神経を伝
わって皮膚に到達し帯状疱疹として発症
します。
過去に脳梗塞を発症した方は、そのチク
チクピリピリ感が脳梗塞の後遺症による
ものかも知れません。
その場合は、リリカ(一般名:プレガバ
リン)の服用が効果的です。
過去に脳梗塞をされた方は、脳神経内科
のお医者さんにご相談ください。
帯状疱疹の後遺症として、皮疹が治った
にもかかわらず痛みが持続することがあ
ります。
これを帯状疱疹後神経痛と言います。
60歳以上の帯状疱疹患者では3分の1に
帯状疱疹後神経痛が出現すると言われ
ます。
帯状疱疹後神経痛は治療が難しく、数
ヶ月から数年続く場合が多いです。
神経節から出て活動を再開し、皮膚に帯状
の水疱(水ぶくれ)をつくります。
この帯状に広がる症状から帯状疱疹といわ
れます。
2)症状
赤い斑点があらわれる数日前からからだの
一部の違和感やチクチク、 あるいはピリピ
リした痛みを感じる神経痛を伴うことが
あります。
↓
次に、痛みを感じた場所にブツブツとした
赤い発疹(紅斑) ができます。
この症状は 帯状 に広がることが多く、特
に胸から背中、腹部などによくみられ、
顔や手足にも現れます。
同時に軽度の 発熱 と リンパ節の腫れ など
がみられることもあります。
続いて紅斑上に 水疱 ができて破れ、皮膚
がただれ、かさぶたができます。
(水ぶくれの特徴) 大きさは粟粒大?
小豆大の大きさと中央部にくぼみがみら
れること
痛みは症状が出ている間、続きます。
軽い痛みで済む方もいますが、皮膚と神
経の両方でウイルスが増殖して炎症が起
こるため、強い痛みを感じることが多く
、夜も眠れないほど悩まされることもあ
ります。
3)早期発見
一般的に、帯状疱疹は自分では判断しに
くい病気です。
初期段階では、虫刺されやかぶれ、他の
皮膚疾患などと思い違いをする方が少な
くありません。
そのため、市販の軟膏等を塗っていて対
処が遅れ、重症化させてしまうケースも
多くみられます。
帯状疱疹の対応では、ウイルスが皮膚や
神経に与えるダメージが少ない早い段階
で治療を始めることが大切です。
ウイルスが体内で増殖し、神経や皮膚へ
の攻撃が長引くと、その分ダメージが大
きくなります。
また、神経に傷が残ると「帯状疱疹後神
経痛」といって長期間にわたって痛みが
消えないこともあります。
帯状疱疹の皮膚症状が消えた後に、その
部分の神経に起こる慢性的な痛みのこと
が強い方ほど神経痛が残りやすいとされ
この痛みは、絶え間なく続く場合もあれ
ば間が空くこともあり、夜間に悪化する
場合や、寒暖の差でひどくなることもあ
ります。
ひどくなると、痛みで他のことが手につ
かなくなる事さえあるので、できるだけ
早く治療して、痛みが記憶として残らな
いようにすることが大切です。
からだの片側に急な原因不明の痛みを
感じたり、同じ場所に赤い湿疹が出た
時は、痛みを我慢せず、できるだけ早
く皮膚科を受診して適切な治療を受け
ましょう。
※ もし疑わしい湿疹が出た時は、冷や
すと痛みが強くなるので冷やさないよ
うにしましょう。
※ 感染症になりやすいため、水疱は破
らないようにしましょう。
4)治療
原因となるウイルスに対しては 抗ウイル
ス薬 、痛みに対しては 消炎鎮痛薬 を用い
ます。
また、水疱がつぶれて細菌感染した場合は
抗菌薬 を使用します。
●抗ヘルペスウイルス薬
ウイルスの増殖を抑制し、病気の期間を短
縮します。
できるだけ早期から抗ウイルス薬を使うこ
とで症状の悪化を防ぎ、皮膚や神経のダメ
ージを軽くする効果が期待できます。
◆抗ウイルス薬 ⇒塩酸バラシクロビル、
アシクロビル、ファムシクロビルなど
●消炎鎮痛薬
痛みを我慢すると、普通は感じない刺激
に対しても過敏に反応してしまい、治り
にくい痛みになってしまいます。
我慢せずに、どんな痛みなのか医師に詳
しく説明し、その程度・種類に応じた治
療を受けましょう。
早期発見・早期治療でウイルスの増殖を
抑え、皮膚への炎症や痛みの重症化を防
ぎ、 帯状疱疹後神経痛が残るのを抑える
こともできます。
5)予防
◇ 日常の予防で最も大切なことは、免疫
力を低下させないことです
・食事のバランスに気をつけて、十分な
栄養をとる
・睡眠をきちんととり、規則正しい生活
を送る
・疲れているときには必ず休息をとる
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睡眠も重要なファクターです。
◇ 他人にうつる可能性があります
帯状疱疹が他人に感染することはあまり
ありませんが、水疱の中には原因となる
水痘・帯状疱疹ウイルスが存在するので
、水ぼうそうにかかったことがない人に
は水ぼうそうとして感染する可能性があ
ります。
水疱が治るまでは、水ぼうそうにかかっ
たことがない赤ちゃんや子供、妊婦には
接触しないようにしましょう。
◇再発の可能性があります
通常では、一度「帯状疱疹」にかかると、
免疫力がついて再発することはほとんど
ありません。
しかし、ごくわずかに免疫力がひどく弱
くなったときなど、再発する人もいます。
急に発症したときに適切な対処ができる
ように、帯状疱疹についてきちんと知っ
ておきましょう。